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事業と組織は両輪。その意識を持ってスタートできたことが原点。

株式会社POL 代表取締役CEO
加茂 倫明
MICHIAKI KAMO

国内トップクラスの理系学生をダイレクトリクルーティングする「LABBASE」を運営するPOLの加茂倫明さん。加茂さんは現役東大生として起業。創業1年で100人の組織を運営する、将来有望な若手起業家です。ビジネス経験のなかった彼が、なぜ急成長スタートアップを経営できたのか。アイランドクレア吉田との対談を通して、学びを振り返ります。

創業する前の段階で、「組織の大切さ」に気づけたのが、何よりも大きかったと思います。はじめは、ビジネスコンテストに出て、そのご縁で吉田さんとお話をする機会をもらいました。そのときに、事業についても軽く触れられたのですが、主に、組織についての課題に目を向けるきっかけをくれたのです。

ビジネスコンテストでは、綺麗な事業モデルをつくることしか議論されませんでしたが、実際の経営は、オペレーションや組織の部分が同じくらい大事。自分のやっていることは机上の空論だったと気づきました。「どんなに綺麗な絵を描いていても、実行するリソースがなければ進まない。一番のボトルネックはビジネスプランではなく、同じくらい覚悟を持ち一緒にやる仲間がいないこと」だと。

その後、メンバー増え、多くの施策をこなせるようになり、事業の成長スピードが加速度的に上がったときに、改めて実感できたことでもあります。

事業をする上では、PDCAの量が重要です。たしかに計画や戦略も大事ですが、ビジネスコンテストではあくまで計画しか話されない。それはそれでいいのですが「良い計画を作るためだけのコンテストだ」と認識していないと、まるで計画だけで事業が成功すると勘違いする危険性もあります。経営の本質は、正しい選択をすることではなく、選択したことを正解にすること。だから、実行力が大事になる。そう考えれば、いくら計画があっても、組織がしっかりしていないと回せない。組織づくり・人づくり、チームワークは重要である。そういうことをお伝えしましたね。

スタートアップでは「施策の量が大切だ」という話は、よく言われることだと思います。そう考えると、リソース確保・組織について戦略を持つことは必然になりますよね。それが、自分の中でつながったのです。

当然、事業内容によって、初期に必要な組織設計は変わると思います。たとえば、アプリケーションを作るのであれば、最初はプロジェクトマネージャーとエンジニアで十分かもしれません。ただ、それを事業としてスケールさせるとなると、組織が必要になります。逆に、僕らのような就活マッチングサービスでは、最初から企業と学生どちらに対してもアプローチする必要があるので、ある程度はじめから組織が重要になると思います。つまり、組織戦略が重要になるフェーズに若干の違いはあれども、遅かれ早かれスケールするために組織づくりは避けて通れない。だから、自分たちの事業において、いつどういう組織が必要か、はじめから想定して動こう、ということですよね。

そのために、「組織図を描くことが大切だ」というのも、初期に吉田さんから学んだことです。一人しかいない状態でも、組織図をつくったのです。全ての箇所に僕の名前しか入っていないのですが、現状の組織図と3ヶ月後に目指す組織図を描くことで、会社にどういう機能があるべきか、ゆくゆくどういう組織をつくるべきか、つまり、どういう人を採用するべきか、明確になりました。

また、可視化することで、「人が必要だ」と実感できたのも大きいですね。実際に人不足に直面する前から採用に動き出せたので、早い段階で適切な人材に出会えました。

組織戦略は、人の健康と同じです。病気になったときに、運動や食事制限を始めても、すぐに治るわけではありませんよね。3ヶ月、半年、1年とか長期スパンで治していくかと同じで、企業の組織も長期的に考える必要があります。そう考えれば、目先のことだ考えるのではなく、具体的な設計図を持たなくてはなりません。組織の設計図のひとつが、組織図だと思います。

それに、組織と戦略が連動していることもよく理解できます。いくら戦略を考えても、それにともなって組織を見直して最適化しないと、動きません。どういう体制で誰がやるのかまで合わせないと戦略とは呼べないとわかりました。良い戦略とは、実行可能性まで含めてイメージできる戦略だと。

そのため、新しく何かを始める時などは、組織の構造が変わります。僕たちの場合は、概ね毎月大きな変更があります。

まさに、戦略を意図的に動かすためのチーム編成なので、ただのチームメンバー表ではないのです。逆に、組織図を見れば戦略もある程度は見えてきます。計画を立てたら、何かが実現するんじゃないかとい妄想みたいなものをする人も多いのですが、誰がいつやるかまで、具体的にしなければ意味がありません。そういう意味で、他社の成功事例を自社に落とし込んでも、そのまま成功するわけではないことがよくわかりますよね。

組織を強くするためには、組織体制を意識することと同時に、個人の当事者意識も大事です。当事者意識は、会議のやり方一つで大きく変わることも、大きな学びでした。必ず発言する環境をつくるとか、意思決定プロセスに参加できるようにするとか。「他責に一切しない」という生き方を共有するとか。それが体験できる設計は、吉田さんの会議ファシリテーションや、経営合宿から学びました。

また、成長に関する研修を受けることで、マインドの大切さに気づくメンバーもたくさんいます。僕の会社のメンバーは、僕も含めてまだ若いので、確固たる自分軸や、人生や成長に対する原理原則を持つ機会が少ない人ばかりです。そういう考え方を体系的に考える場をつくることが、会社への当事者意識にも効いてくると感じます。

自分の軸が明確な人ほど、採用してからも熱意を持って働く人が多いと感じますね。会社と個人のやりたいことが合致している方がパフォーマンスが出やすいし、お互い幸せなんだろうなと思います。学生の場合はその軸が定まっていなかったり、表層的なところで定めている人も多いので、変化がありそうかとか、うちの会社に合いそうかはしっかり見るようにしています。

自分軸を作るには、長い年月を要するものです。ただ、弱くても正しい中心点からスタートするのと、違うところからスタートするのでは、辿るプロセスが大きく違います。中心から始まっていれば補強するだけですから。その原点というのが、他責にしないことだと思います。自分の人生に対して、自分で責任を持つことが全ての始まりです。また、採用で合う人を取ることも大切です。ただ、よくよく考えると、会社で働く中でのミッションと個人のミッションがずれることって、実はあまりないことなんですよね。大きなミッションやビジョンの枠に、大抵のことは含まれるので。よく、会社と自分は違うと感じている人は、本質的なところでなくて、部分的なところが違っていることを全体の不一致とみなしてしまっていることも多いです。生き方として、環境を受け入れながら、自分の目標とすり合わせていくスタンスをも持ち、大きな方向性さえ合っていたら、細かい点は会社を動かす中で合わせていくという考え方も大事なのではないかなと思います。

そういう考え方を伝えたり、そもそも自分が何をやりたいかを考えてもらうような場作りも、会議の設計次第で実現できる。そういう学びがあったからこそ、創業1年で100人を超えるメンバーと一緒に会社を経営できているのだと思います。

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